飲食店長から営業事務を目指すときは、店長時代の作業と求人の担当業務を照らし合わせ、必要なPC操作と仕事の分担を確認するところから始めましょう。接客や発注、数字を扱った経験には接点がありますが、扱う商品や書類、システムは応募先で新しく覚える部分です。

「事務未経験でも応募できるか」「Excelはどこまで必要か」「営業も任されるのか」。この記事では、40代・50代の店長経験者も想定して、仕事内容と求人を選ぶための確認方法を整理します。

この記事でできること

  • 営業事務と営業職・一般事務の違いをつかむ
  • 自分ができる作業と、準備が必要な作業を分ける
  • 求人2件を6項目で比較し、応募前に聞くことを決める
職種の役割を3行で比較

営業事務 → 営業を支える
一般事務 → 部署全体を支える
営業職 → 顧客へ提案する

役割の目安です。実際の担当範囲は会社によって異なります。

職種を広く比較する店長経験が生かせる仕事の探し方に対して、このページは営業事務に絞った深掘りです。応募書類の例文より先に、「自分が担当する仕事」を確かめるために使ってください。

飲食店長から営業事務へ転職できる?まず募集条件を作業で読む

営業事務には、未経験者が応募できる募集もあります。ただし、「未経験歓迎」が業界未経験なのか、職種未経験なのかで条件は変わります。必要な経験・PC操作・資格を求人票で読み、分からない点は応募先や求人の担当者へ確認します。

厚生労働省job tag「営業事務」のハローワーク求人統計では、関連する職業分類の有効求人倍率は全国1.31倍(2025年度・令和7年度)です。掲載データの更新日は2026年8月17日と案内されています(統計データの留意事項、確認日:2026年10月23日)。

これはハローワークの有効求職者数に対する有効求人数の割合で、40代・50代の未経験者に限った数字や、一つの求人の応募倍率ではありません。この数値だけで採用されやすさや応募の集中は判断できないため、希望地域・雇用形態・必須スキルを絞り、自分が応募できる求人を確認することが大切です。

リクルートエージェントの営業事務の仕事内容と転職のポイントでも、未経験からの転職に向けて、PCスキルやこれまでの経験を整理する観点が説明されています(確認日:2026年10月23日)。店長という役職名に加え、何を自分で処理していたかを具体的にすると、募集との接点を探せます。

例えば「Excel基本操作」とあれば、まず自分の経験を「既存の表へ入力」「集計」「表の作成」などへ分けます。そのうえで、応募先ではどの作業が必要かを確認する順番です。年齢や店長歴だけで採用の見込みを判断するより、募集条件との一致を一つずつ見ていきましょう。

営業事務の仕事内容|営業職・一般事務との違い

営業事務は、書類やデータの処理、顧客や社内との連絡などを通じて営業活動を支える仕事です。厚生労働省job tag「営業事務」では、見積書などの作成、受注情報の入力、在庫確認や納期調整などが紹介されています。担当範囲は会社の規模や事業によって異なります(確認日:2026年10月23日)。

営業事務の仕事を、書類・データ、受発注・納期、顧客・社内対応の3つに分けた図解
仕事のまとまり 担当する作業の例 求人で確認する点
書類・データ 見積書・納品書の作成、受注情報の入力 既存書式か、新規作成か。誰が内容を確認するか
受発注・納期 注文内容・在庫の確認、出荷や納期の調整 変更や欠品が起きたときの担当・判断先
顧客・社内対応 電話・メールの対応、営業担当への連絡 取り次ぎ中心か、自分で回答する範囲があるか

一つの注文を、誰がどこまで担当するか

例えば、営業担当者が受けた注文を、営業事務がシステムへ入力し、在庫と希望納期を確認する。欠品があれば営業担当へ共有し、顧客への回答方法を相談する、という分担が考えられます。これは仕事のつながりを示す架空の例です。実際の職場では、入力、調整、顧客への回答を別の人が担当する場合もあります。

見るポイントは、「注文処理」という一語の中に、入力だけでなく確認・連絡・調整のどこまで含まれるかです。自分で決められる範囲と、営業担当や上司へ確認する範囲を分けて聞くと、入社後の仕事を想像しやすくなります。

営業職・一般事務は、支える仕事と担当範囲で比べる

職種 仕事内容の目安 確かめたいこと
営業事務 営業活動に関わる書類・受発注・連絡の支援 顧客対応、調整、営業活動の分担
一般事務 資料作成、入力、電話対応など部署の事務処理 所属部署と、兼任する仕事
営業職 顧客への提案・商談など 顧客との接点と、提案・契約後の担当範囲

この比較には、厚生労働省job tagの「営業事務」と「一般事務」の仕事内容も参照しています。一般事務には文書作成・データ入力や集計などの定型的な事務があり、会社によって受発注や電話対応も含まれます。両職種で重なる作業があるため、職種名に加えて、支える部署と担当範囲を見てください(確認日:2026年10月23日)。

スタッフサービスの営業事務と一般事務の解説も補足として参照しています。表は比較の目安とし、実際の分担は求人ごとに確認しましょう。

提案や商談を担当する仕事にも関心がある方は、飲食から営業職への転職と求人の選び方で、営業側の仕事内容を比べられます。

店長経験と接点がある作業、新しく覚える仕事を分ける

飲食店での仕事を、営業事務の経験そのものに置き換える必要はありません。共通する作業と、応募先で学ぶ内容を並べると、経験を説明しやすくなり、準備する範囲も見えてきます。

飲食店で担当した作業例 接点を考えられる仕事 新しく確かめること
発注・在庫の確認 受発注処理、在庫確認 商品知識、システム、注文の締切
売上記録の入力・照合 データ入力、書類との照合 書式、チェック方法、修正の手順
お客様からの問い合わせの共有 顧客対応、担当者への連絡 メールの書き方、回答の権限、記録方法

この表は一般的な対応例です。自分が担当していた行を選び、「何を使い、何を確認し、どこまで自分で行ったか」を添えてみてください。店長として幅広く仕事をしていた40代・50代の方も、応募先と関係する作業から説明すると、長い職歴を整理できます。

また、次の職場で店長と同じ判断権限や管理職の役割を希望するかも考えておきましょう。営業担当を支える役割の中で、自分が担当したい作業と、相談しながら覚えたい作業を分けることが大切です。

Excel・PCスキルはどこまで必要?できる操作で確かめる

dodaの営業事務の職種解説では、PC操作に加え、処理の正確さや社内外とのやりとりが挙げられています。必要なソフトや操作は業務範囲によって変わるため、「パソコンは得意・苦手」だけで判断せず、作業に分けて確認します(確認日:2026年10月23日)。

求人票の表現 自分の経験を確認する観点 応募先へ聞くこと
Excel基本操作 入力、既存表の修正、並べ替え、集計など、実際にできる操作 どの操作を日常的に使うか
表・資料の作成 既存書式の更新か、白紙からの作成か 見本や書式があるか
業務システムへの入力 使ったシステムと、自分で処理した範囲 入社後に覚える操作と、研修の方法

筆者の経験|22時以降の時給変更を計算できるExcel表を作っていた

私は飲食店長時代、アルバイトの給与計算に使うExcel表を作っていました。まず個人ごとの時給を設定し、22時以降の分は、それぞれの時給の1.25倍で計算する形にしていました。時間を計算する際は、小数点以下の扱いに注意していました。

営業事務への転職・就業の実体験として紹介するものではありません。ここで伝えたいのは、「Excelを使った」から一歩進めて、何のために、何を計算する表を作ったかまで説明するということです。求人で必要とされる操作と、自分が実際に行った操作を照らし合わせる材料になります。

自分の経験を振り返るときも、「入力した」「既存の計算式を使った」「表を自分で作った」を分けてみてください。学習として作った見本は、仕事で使った表とは分けて説明できます。

足りない操作は、応募したい仕事の一部分で試す

例えば、架空の商品名・数量・単価を使い、入力と合計の確認を試す方法があります。これは応募前の練習例で、営業事務に必要な技能をすべて満たす試験ではありません。求人票の条件と照らし合わせ、次に練習する操作を一つ決めます。

学ぶ内容や方法から迷う場合は、仕事につなげる学び直しの目的と方法の選び方を参考にしてください。練習には架空のデータを使い、勤務先や従業員の情報を持ち出す必要はありません。

営業事務の求人で確認したい6項目

求人票を読むときは、次の6項目で分かっていることを残します。会社名や求人URL、確認日も一緒に記録し、説明を聞いて分かったことを追記してください。

確認項目 見ること
1.担当業務・割合 入力・書類・受発注のどれが中心か。日常的な件数や締切
2.顧客対応・営業との分担 電話・メールの範囲、提案や顧客への働きかけの有無、判断先
3.ソフト・必要な操作 Excel等で何を作るか。業務システムの操作経験が必須か
4.研修・引き継ぎ・相談先 何を教わり、誰に質問できるか。欠員補充の場合の引き継ぎ
5.支援人数・繁忙時の体制 支援する営業担当者の人数、事務の人数、不在時の分担
6.雇用形態・給与・勤務時間 雇用主、契約期間、給与の内訳、休日、残業が増える時期

顧客からの依頼や営業担当の予定に合わせた対応があるため、デスクワークという言葉だけで忙しさを判断するのは難しいところです。スタッフサービスの前掲解説にも、仕事量が営業担当や顧客の要望によって変わる面が説明されています。月末などの繁忙時に、誰とどう分担するかを聞いてみましょう。

40代・50代で生活費や家庭との両立を重視する場合は、最低限必要な固定収入と、対応できる勤務時間を先に整理すると比較しやすくなります。給与や休日の詳しい確認は、飲食店長から異業種へ移るときの年収・働き方の比べ方で扱っています。

保存用|営業事務の求人比較表と、応募前に聞く質問

この比較表は、応募候補を選ぶときに使います。先に記入例を見て、その下の空欄版へ、気になる求人2件の内容を入れてみてください。

営業事務の求人を6項目で比べ、分かったことと未確認のことを分けて質問を決める図解

記入例|同じ営業事務でも、中心になる作業を比べる

以下は説明用の架空求人です。実在する募集や給与相場、筆者の勤務条件ではありません。研修内容や給与の内訳など、求人票だけでは分からない部分を確認事項として残しています。

確認項目 求人A(架空) 求人B(架空)
1.担当業務・割合 注文入力と在庫照会が中心。納品書も作成。件数は確認したい 見積書・提案資料の更新が中心。受注入力も担当
2.顧客対応・営業との分担 納期の電話問い合わせを受け、回答前に営業担当へ確認 メールの問い合わせ窓口を担当。追加提案の分担は未確認
3.ソフト・必要な操作 専用システムへの入力、既存Excel表の更新 Excelで集計表を作成、PowerPoint資料を修正
4.研修・引き継ぎ・相談先 先輩と注文処理を練習。研修後の相談先を確認したい 引き継ぎあり。期間と質問できる担当者は未確認
5.支援人数・繁忙時の体制 営業4名を事務2名で支援。不在時の分担を確認したい 営業6名を事務2名で支援。月末は他部署と応援を調整
6.雇用形態・給与・勤務時間 直接雇用の正社員、月給25万円、9〜18時、土日祝休み。固定残業代の有無は未確認 直接雇用の契約社員、月給26万円、9〜18時、土日祝休み。契約更新条件と給与内訳は未確認

例えば、既存の表への入力経験があり、集計表の新規作成はこれから学びたい人なら、AとBで必要な準備が違います。月給だけで決めず、業務内容と操作の条件を先に照合し、雇用・給与の未確認点も解消してから判断します。

空欄版|自分の候補2件を同じ項目で記録する

求人Aの会社名・URL・確認日:______
求人Bの会社名・URL・確認日:______

確認項目 求人A 求人B
1.担当業務・割合 ____ ____
2.顧客対応・営業との分担 ____ ____
3.ソフト・必要な操作 ____ ____
4.研修・引き継ぎ・相談先 ____ ____
5.支援人数・繁忙時の体制 ____ ____
6.雇用形態・給与・勤務時間 ____ ____

今の経験と重なる作業:______
準備が必要な操作:______
応募前に確認したいことを一つ:______

営業事務の担当範囲を確かめる質問例

表の空欄を埋めるための質問です。必要なものを選び、自分が経験した操作を添えて聞いてみてください。

  • 「Excel基本操作」とありますが、既存表の更新と、新しく表を作る作業では、どちらが中心ですか?
  • 納期変更の問い合わせを受けた場合、営業事務が回答する範囲と、営業担当へ確認する範囲を教えてください。
  • 営業担当を何名で支援し、事務担当者が不在の日は注文処理をどう分担していますか?

最後に、応募条件と自分の経験が合うか、未確認の担当業務・PC操作が残っていないか、雇用形態と勤務条件を読み取れたかを確認します。応募準備の時間を取りにくい場合は、シフトに合わせた転職活動の予定の組み方も使えます。

飲食店長から営業事務への転職でよくある疑問

40代・事務職未経験でも応募できますか?

応募できるかは、募集の必須条件で確認します。「業界未経験歓迎」でも事務経験が必要な場合があるため、職種経験と業界経験を分けて読みましょう。長い店長歴のすべてを説明するより、募集に関わる入力・確認・連絡の経験を選び、担当した範囲を伝えます。

Excelに自信がない場合、何から確認すればよいですか?

求人に必要と書かれた操作を一つ選び、自分でどこまでできるか試します。「見本を見れば入力できる」「既存の計算式は使える」「表を作れる」など、現状を作業で説明すると、練習すべき点や応募先へ聞く内容が具体的になります。

資格を取ってから応募したほうがよいですか?

応募資格に指定があるかを先に確認します。資格が指定されていない求人なら、必要な操作や経験を整理し、応募と学習の進め方を考えます。資格取得を目指す場合も、試験で学ぶ内容が希望する業務とどうつながるかを見て選びましょう。

営業事務という名前でも、営業を担当することはありますか?

会社によって分担が異なるため、提案・顧客への連絡・受注後の対応がどこまで含まれるかを確認してください。「営業担当のサポート」という表現だけなら、具体的な作業と、目標や評価の対象を聞くと違いをつかめます。

応募する求人が決まったら、職務経歴書はどう準備しますか?

比較表から、応募先の仕事と接点がある自分の経験を選びます。飲食店長の職務経歴書の書き方と営業事務向け完成サンプルで、書類全体へ整理できます。サンプルは架空の人物の例なので、ご自身の経歴・担当範囲へ置き換えてください。

まとめ|求人2件を比べ、確認したいことを一つ決める

飲食店長から営業事務への転職を考えたら、まず仕事内容、必要な操作、職場での分担を具体的に見ていきましょう。店長時代に使った道具や作った表も、その接点を考える材料になります。

最初の一歩は、気になる求人2件を比較表へ入れ、未確認のことを一つ質問にすることです。保存用の空欄版を使い、応募先の説明を聞いたあとにも見直してみてください。

それでも経験や希望を整理しにくい場合は、比較表を持って相談する方法もあります。転職エージェントの初回面談で話すことと準備を参考にできます。準備全体の順番へ戻る場合は、飲食店長から異業種転職 完全ガイドから、次に取り組むテーマを選んでください。

参考にした公式情報

仕事内容・スキル・統計の確認日:2026年10月23日。募集条件や担当範囲は各求人で確認してください。本文の給与計算表は筆者の経験、注文の流れ・対応表・求人比較は説明用の一般例または架空例です。画像は当サイト制作の説明用イメージです。